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少年と自転車
ベルギー・フランス・イタリア制作の映画『少年と自転車』を試写してきました。第64回カンヌ国際映画祭グランプリを獲得した作品です。
日本上映にあたり、最もPRされていることが、このストーリーの元は、監督が日本で聞いた施設の少年のエピソードなんですね。となると、前のめりをして観たくなる衝動にかられます(笑)。
カンヌ常連のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督による新作ですが、これがとても繊細に作られた映画で、少年の揺れ動く心をごく自然と描き出しているところに感心させられました。もちろん少年役のトマ・ドレの演技もナチュラルで申し分なし。演技しているとは思えない達人ぶりです。
映画は、施設に預けられた少年シリルが、里親のサマンサとともに消えた父親と大好きな自転車を探し奮闘。事件に巻き込まれながら、サマンサとの親交を深め人間らしさを取り戻していくというお話です。
とにかく少年が父親を一途に思う気持ちが、悲しみや苦しみ、孤独や切なさを生むわけです。そこにサマンサが愛情を持って、時に厳しく、そして優しく接していくんですね。
びっくりしたのが、サマンサのシリルに対する接し方。彼女の行動がそのままベルギー人全てのものなのかはわかりませんが、子供を大人として扱っているんですよね。優しいまやかしを言うのではなく、事実をありのままに伝える。父親が子供にもう会いたくないということも、嫌がる父親に直接いわせるようにする。このあたりには驚きました。そして感情を露わに狂うようにわめくシリル。涙が止まりません。
上映中は少年に戻ったようで、随時、寂しい気持ちが同時進行。無垢な心を取り戻したい人は、ぜひ、ご覧ください。映画の詳細は『BADIOUT』でもご紹介します。
2012年3月31日(土)、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー!
日本上映にあたり、最もPRされていることが、このストーリーの元は、監督が日本で聞いた施設の少年のエピソードなんですね。となると、前のめりをして観たくなる衝動にかられます(笑)。
カンヌ常連のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督による新作ですが、これがとても繊細に作られた映画で、少年の揺れ動く心をごく自然と描き出しているところに感心させられました。もちろん少年役のトマ・ドレの演技もナチュラルで申し分なし。演技しているとは思えない達人ぶりです。
映画は、施設に預けられた少年シリルが、里親のサマンサとともに消えた父親と大好きな自転車を探し奮闘。事件に巻き込まれながら、サマンサとの親交を深め人間らしさを取り戻していくというお話です。
とにかく少年が父親を一途に思う気持ちが、悲しみや苦しみ、孤独や切なさを生むわけです。そこにサマンサが愛情を持って、時に厳しく、そして優しく接していくんですね。
びっくりしたのが、サマンサのシリルに対する接し方。彼女の行動がそのままベルギー人全てのものなのかはわかりませんが、子供を大人として扱っているんですよね。優しいまやかしを言うのではなく、事実をありのままに伝える。父親が子供にもう会いたくないということも、嫌がる父親に直接いわせるようにする。このあたりには驚きました。そして感情を露わに狂うようにわめくシリル。涙が止まりません。
上映中は少年に戻ったようで、随時、寂しい気持ちが同時進行。無垢な心を取り戻したい人は、ぜひ、ご覧ください。映画の詳細は『BADIOUT』でもご紹介します。
2012年3月31日(土)、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー!