最近、何かと頭を巡るのがユーミンの『青いエアメイル』。昔の恋人から届くエアメイルに時の流れを感じながら、今の自分の気持ちを重ね、強く生きていこうとする姿を描いています。特にリフレインするフレーズは「選ばなかったから失うのだと…」という箇所。何をしていてもくるくると繰り返し頭の中を駆け巡る。



こういった昔を振り返り懐かしむ歌は、中島みゆきにはあまりないんですよね。みゆきはどちらかと言うと、より現実的で生きることの辛さや世の中の矛盾を歌にしている。ようは人間のどろっとしたところを歌い上げるわけです。

かつて、歌謡曲を批判して「テレビの歌はいつでもそこにありそうなおとぎ話を歌う…」と歌う『成人世代』なんて曲があったぐらい。

そんな中島みゆきの楽曲の中でもかなりユーミン的な作品があるんですよね。それは『愛から遠く離れて』。最初に聞いたときは、歌い方までユーミンそっくりでかなりビックリしました。これは、今は恋愛をお休みしているけど、ふいに新たな出会いがあるかもしれないから、心を気持ちよく軽やかに毎日を送ろうというかなり前向きな歌。そこにはかつて最も愛した人へのノスタルジー的思いも含まれています。

それにしても、中島みゆき派を豪語する自分なんだけど、実恋愛の背景に流れる曲はユーミンのものが多い。『ノーサイド』『最後の嘘』『スイートドリームス』『リフレインが呼んでいる』『ハローマイフレンド』『アニバーサリー』など、過去の恋愛の情景と見事にマッチする歌ばかり。

なんだか朝からメランコリックな気分に突入しました。