ホイットニーと二丁目の続きを…。

16歳の夏、季節はうるおぼえ。確かに新宿二丁目近辺の靖国通り付近に佇んでいた自分。ドキドキでしたね。

勇気を出して『エレクト』の扉を開けた僕。中には数人のお客さんがゲイ雑誌を読みあさり、周囲の気配を伺っている様子。奥の店主席に鎮座していたのが、我が社長でした。なんとも言えない運命を感じます（笑）。でも、当時の店主の容姿は全く覚えていません。そんな状況ではなかったんですね。心臓バクバクでしたからね。

その後、今はなき三丁目のカバリエでクリエイターのゲイDVDを見つけ大金をはたいて購入。かなりお世話になり、当時でいう絵に描いたようなハッピーゲイライフに何もわからぬまま、身を委ねていったわけです。当時の憧れだったクリエイターズの創業者と、これまた今、密に仕事をともにするとは誰が想像したでしょうか？

こう考えるとビックリすることばかりで、運命の道筋はかなり早い段階で書き記されていたわけです。

自分の今が最高か？最悪か？幸せなのか？不幸せなのか？なんて正直わかりません。長い人生の中で今の時点をどうとらえるかはまたこの先、何年かたたなければ本当のところはわからないのではと思います。

かつての地方回りや地方取材は当時の自分としては泣きたくなるぐらい不幸な出来事で、横をすり抜けるそしらぬ顔の仲間たちに苦虫をつぶす思いでしたが、今となっては、かなりの大きな財産です。あれらがなければ今のいい意味での自分はないわけですから。それに、伝説をともにできたこと、枠を広げる生き方を学んでこられたわけですからね。

何事においても決定的な判断は今すぐにはできません。だから人生は厳しく頼もしいのではと思っています。大好きな人の言葉に、魂レベルでの話ですが、不幸になるための人生は何ひとつとして、誰一人として用意はされていないそうです。困難に立ち向かって、結果、豊かな気持ちになりましょう（希望）。なんだか宣教師みたいですね（笑）。