Category: コラム
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中島みゆき『常夜灯』
中島みゆきの新譜『常夜灯』を購入しました。
中島みゆきの39枚目のオリジナルアルバム。前回までの力んだ歌い方から、力を抜いた感じで歌う曲が数多く収録されており、購入者のレビューを見ると「これ癒される」「懐かしい」「さすが、中島みゆき!」という人と「古臭い!」「駄作だ!!」という人と分かれていました。
とりあえずボク個人としては、彼女の癒し系の歌い方の方が好きなんですよね。だから、全体的には、心地よく聴ける。ただ、全盛期の癒しはここにはありません。第一あの頃(『臨月』『寒水魚』『予感』)の中島みゆきを今に求めること自体がナンセンス。当時の彼女は30代前後でしょう? 今は50代。様々な経験を積んだ後の、大人の癒しが今の彼女、今回の彼女のアルバムから感じられます。情緒的で青かった頃の透明感は、輪廻転生をテーマに歌ったあとの彼女に存在するはずがないんですよね。
それに、当たり前のことですが、中島みゆきは年月とともに歌が上手くなってる。だから、さらりと歌っているようでも、意味の深さがはしはしにあらわれてしまう。いい意味でも悪い意味でも、そうなんです。
さて、好きな曲はというと…、しっとりと大人の恋心を歌う『あなた恋していないでしょう』が今の自分には一番かな。あと、東日本大震災に向けて歌った応援歌『倒木の敗者復活戦』。これは、東北と倒木をかけていると思うだけど(多分)、曲だけ聴いていると「とうほく」「とうほく」「とうほくの復活戦」って聞こえてきます。それと『風の笛』。とてもきれいに歌い上げています。『ピアニシモ』では、数々のレビューのとおり、彼女が今回、声を張り上げて歌っていないことの理由が綴られたような歌でしょうか。
もちろん、ロックとまではいかないけど、元気な歌もあります。TV番組とタイアップされた『恩知らず』。さすがシングルカットする?される?だけあって、とてもキャッチーで覚えやすい曲です。そして、『ランナーズハイ』『オリエンタル・ヴォイス』あたりは、ある意味、最近のよく知られた中島みゆき節が聴ける曲ではないでしょうか? ラストの『月はそこにいる』は、定番の壮大なテーマと激情的に歌い上げる決め曲で、夜会的?なエンディング曲に仕上がっています。(夜会はビデオでしか見たことがないので…)
でも、残念ながら、今の自分にガツンとくる心の曲はありませんでした。前回のアルバム『荒野より』では、『走』や『旅人よ我に帰れ』なんかが、メチャクチャ心に響いてきてヘビロテだっただけに、今回は早々と戸棚行きになってしまうかもしれません。
常夜灯 (2012/10/24) 中島みゆき 商品詳細を見る |
中島みゆきの39枚目のオリジナルアルバム。前回までの力んだ歌い方から、力を抜いた感じで歌う曲が数多く収録されており、購入者のレビューを見ると「これ癒される」「懐かしい」「さすが、中島みゆき!」という人と「古臭い!」「駄作だ!!」という人と分かれていました。
とりあえずボク個人としては、彼女の癒し系の歌い方の方が好きなんですよね。だから、全体的には、心地よく聴ける。ただ、全盛期の癒しはここにはありません。第一あの頃(『臨月』『寒水魚』『予感』)の中島みゆきを今に求めること自体がナンセンス。当時の彼女は30代前後でしょう? 今は50代。様々な経験を積んだ後の、大人の癒しが今の彼女、今回の彼女のアルバムから感じられます。情緒的で青かった頃の透明感は、輪廻転生をテーマに歌ったあとの彼女に存在するはずがないんですよね。
それに、当たり前のことですが、中島みゆきは年月とともに歌が上手くなってる。だから、さらりと歌っているようでも、意味の深さがはしはしにあらわれてしまう。いい意味でも悪い意味でも、そうなんです。
さて、好きな曲はというと…、しっとりと大人の恋心を歌う『あなた恋していないでしょう』が今の自分には一番かな。あと、東日本大震災に向けて歌った応援歌『倒木の敗者復活戦』。これは、東北と倒木をかけていると思うだけど(多分)、曲だけ聴いていると「とうほく」「とうほく」「とうほくの復活戦」って聞こえてきます。それと『風の笛』。とてもきれいに歌い上げています。『ピアニシモ』では、数々のレビューのとおり、彼女が今回、声を張り上げて歌っていないことの理由が綴られたような歌でしょうか。
恩知らず (2012/10/10) 中島みゆき 商品詳細を見る |
もちろん、ロックとまではいかないけど、元気な歌もあります。TV番組とタイアップされた『恩知らず』。さすがシングルカットする?される?だけあって、とてもキャッチーで覚えやすい曲です。そして、『ランナーズハイ』『オリエンタル・ヴォイス』あたりは、ある意味、最近のよく知られた中島みゆき節が聴ける曲ではないでしょうか? ラストの『月はそこにいる』は、定番の壮大なテーマと激情的に歌い上げる決め曲で、夜会的?なエンディング曲に仕上がっています。(夜会はビデオでしか見たことがないので…)
でも、残念ながら、今の自分にガツンとくる心の曲はありませんでした。前回のアルバム『荒野より』では、『走』や『旅人よ我に帰れ』なんかが、メチャクチャ心に響いてきてヘビロテだっただけに、今回は早々と戸棚行きになってしまうかもしれません。