先日、知り合いの方から古いゲイ雑誌を譲り受けました。『アドニス』『同好』『緑園』？など。古いやつは昭和20年代の貴重なもの。商業誌以前の会員誌のゲイ雑誌ですね。

見方によってはがらくたかもしれませんが、僕みたいな業界の編集者の端くれとしては、興味津々で大切な教材です。

今のように情報が溢れかえった時代とは180度異なり、情報が全くない時代の枯渇するゲイたちの切実な思いが、この古く薄い雑誌を取り巻いていたと思うと、簡単にがらくただとは一掃できません。

『過去を知ることが現在、強いては未来を知ることだ』とは使い古された言葉ですが、これは忘れてはいけない大切なフレーズだと思います。

たとえそれができなくても、今のゲイとして生きる環境に大きな不自由を感じずにいられるのなら、そこに導いてくれた人々に感謝する気持ちを心のどこかに持ち続けてもいいのではないでしょうか？

意識のありようは世の中に影響するから、自分中心主義のエゴイストたちが横行すれば、必ずまた厳しい冬の時代、心が枯渇する時代がやって来ると思います。