ここ数週間、体調がよくない話はしたのですが、相変わらず耳がよくならない。左耳がよく聞こえないんですね。右耳も聞きづらい。取材もかなり難儀をしていて、取材相手や打ち合わせでも自分の暑苦しい顔を近づけて、耳を、漫画か何かのように、立てさせて、やりとりをするわけです。まあ、ある意味、強烈なシチュエーションなわけですよ。

で、本題ですが、みなさん、聞こえないって体験したことがありますか？

これがかなりの発見がいろいろあります。

元来、僕自身、音の察知がとても敏感で、音からかなりの情報量を得ているので、音がない世界にやって来るとどうなるのか？

普通に考えたらパニックです。いつも以上に音に集中しようと神経がすり減らされ、くたくたになりそう…。

現に最初はそうだったんですが、今はまぎゃくの何にも気にしない自分がいるわけです。音が聞こえないと怖さが吹っ飛んでしまう。昔は深夜の散歩で、暗闇の物音でびびったり、階下へは犬に気付かれないようにそーと忍び足で降りていたのに、今や少しのミシミシ音は自分に聞こえません！気にしません！

こう考えると自分中心に考えるってことが、大きな意味合いで、恐ろしいことだとよくわかってきます。

外を気にせず我が道をいく…。我が道ほど都合がよく、ふわふわで気持ちいいったらないわけです。

音を聞く聞かないという単純な作業も、人間の生き方にまでに作用する大きな要素だったんですね。病気の功名でしょうか。