当たり前だけど、毎日、毎日、いろんな人と会うわけですが、そうした日々の中で感じることは、人はそう簡単には変わらないし、変えようとしてもダメだという事実です。

もちろん、外見は、月日とともに、劣化や修繕をともなう変化が生じるのは当然のことなのですが、人間のコアな部分はどうにも変わらない。変わったように見えるのは、経験によって得えた衣類や贅肉が、そう見せているだけで、人の中心の部分はそう簡単には変わりませんよね。そうしたことが如実にあらわれるのが、思考や思想、各人の物事のとらえ方にあると思います。

変わらない根っこの部分を無視して、その人の何かを変えようとあくせくしても、無駄な力を使い果たすだけではないでしょうか。

ならばどうするか？　他者への危害が及ばないことを前提に、その人の自由選択を尊重し、その行くへをじっと見守るしかないのだと思います。

こうしたことを言うと、無関心とか、適当とか、真剣に考えていないとか思う人もいるでしょうが、突き詰めれば、無理して変えようとすることの方が、物事の通りにかなっていなくて、エゴイステックで、無責任で、無生産的だと思うのですね。

自分も、思わず、人の言動にチャチャを入れたくなるときがあります。そんな時は、なんとかこらえて、『LET IT GO』『LET IT BE』を呪文のように心のなかで唱えます。そう、なすがままに、とか、好きなように、とぶつぶつと呟きながら心を収める。これが、今一番、自分が実行しうる最善の処世術なんです。